KOBUNKAN ACT （弘文館進学ゼミACT 小学部）

大学時代に東京で家庭教師をしていた。

時間数が少ないのである個人でやっている個別指導塾と「提携」をしていた塾があった。

高級住宅地に隣接している地域にあり、小規模でぼろかったが繁盛していた。

自由度が高かったので、私の指導方針よりもかなり緩かった感じだった。

あるときに騒がしいので生徒が「うるせー！」と怒鳴ったり、合宿に行って心配をした親が宿に電話をすることなどがあって、よく「お前のところの生徒は！」と塾長に叱られたこともあった。

塾長とは旧知でわかりあっていると思っていたのに残念だった。

この塾は「それなりの家の子」がいると塾長がいっていた。

そのことを指導中や休憩中に他の生徒に言う。

「あの子は〇〇（有名人）の子」だと、有名人の子の生徒がいることを周りに自慢していた。

私は「あ、そう」という感じできいていた。


親が有名なら特別扱いをするのだろうか？

授業をたくさん入れて収入を増やすのか？

何を目的にしているかわからないのだ。

私の家庭教師は格安だったのでいろいろな生徒がいた。

中には有名人の子もいたかもしれない。

しかし、そんなことは考えずに成績を上げること、合格してもらうことを念頭に考えた。

日本橋で教室を構えてからできるだけ、短期間で早く完成させて合格をさせる方針だった。

採算や利益を考えなかった。

あれから３０年。

すでにあの塾長も鬼籍に入っている。

この経験は当塾が親の仕事を訊かない理由になった１つだろう。