表現の違和感

ACT

2025年05月04日 00:00

新学期で募集のヒントを得ようといろいろな全国のいろいろな塾のホームページにお邪魔している。

塾の歴史や創業者の生い立ちまで載せている丁寧な塾もある。

そもそもソーシャルワークを専門にしている私は「生い立ち」=「生活歴」を深く読む。

「あ、この人ハッタリだな。」「うまく飾っているなぁ」とかいろいろである。

私の場合は「この人受験で苦労したんだなぁ」といわれることが多い。

そんな中でいくつかの塾の「歴史」で気になる表現があった。

社史の中で生徒数が〇〇になったようなことが出ていて。

「**年 〇〇〇人の生徒を獲得する」

とあった。

私は唖然として、数名の友人に話した。

「あーサッカーならあるじゃん。選手を『獲得』したって!」

という意見があった。

私は、

「ポケモンや賞金や景品でないので『獲得』はないだろうよ!」

と話した。


そこで生れてはじめて、ChatGPTにきいてみた。

(こたえ)

「獲得(かくとく)」は、日本語で「手に入れる」「得る」という意味の言葉で、主に「努力して手に入れる」ようなニュアンスがあります。ちょっと硬め・フォーマルな表現なので、ビジネスやニュースなどでよく使われます。



主な使い方と例文
1. 賞や称号などを手に入れるとき
例: 彼はノーベル賞を獲得した。

➤ 努力や実績の結果として、何かを得たときに使います。

2. スキルや権利を得たとき
例: 英語力を獲得する。

例: 市民権を獲得した。

➤ 能力や資格、地位などにも使えます。

3. ビジネスやマーケティングでの使用
例: 新規顧客を獲得する。

例: シェアを獲得する(=市場占有率を上げる)。

➤ これはかなりビジネス用語っぽい使い方です。

4. スポーツやゲームの文脈
例: 優勝を獲得した。

例: レアアイテムを獲得する。

➤ ゲームではアイテムや称号、ポイントなどによく使います。


ーここまで=

わかった!この塾は生徒を「新規顧客」として扱っているのだということなのかと思った。

確かに生徒さんを「獲得」することは「新規顧客」である。

しかし、私たちは人間を扱う塾。

さらには生徒さんの人生を左右する仕事だ。

私も商社で営業経験があるが、生徒を「獲得」することは、営業と違って、数や売り上げではない。

私が初めて勤務した塾(1991年)で社員の講師がよく塾長と喧嘩をしていた。

出身大学が同じで学部の序列が社員より塾長の方が下なのが気にいれないといっていた。

が、一番に気に入らないんがこの塾長が「生徒がお金に見えてくるよ!」とよく言っていたことである。

これは社員に賛同できる。

塾長の姿勢もおかしい。

ちなみにこの塾長は塾が親会社から切り離される前にクビになったそうだ。

私たちが任していただいているお子さんはモノではない。

ATMでもない。

人間なのだ。

さらに「顧客」であれば、「獲得」ではなく「在籍していただいた」とか「入塾していただいた」という表現の方がいいと思う。

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